ごぶごぶごぶの日記

お金をかけない東京散歩ほか、走ること食べること思うことを書いてます

草間彌生 わが永遠の魂

なんで樹木希林が赤いカツラをかぶって怒ってるんやろ。。っておもたら草間彌生でした。

今日は予告通りギロッポンです。初の新国立美術館でしたね。六本木の駅からすぐだと思ったら意外に歩くのね。。
平日だからそんなに混んでないだろうと思いきや、、大盛況でした。
草間さん目当てのたくさんの人たちが詰めかけておりまして、老若男女、。女性の方の割合が多かったですね。

草間彌生と言えば、黒い水玉の黄色いカボチャ、くらいしか予備知識がないまま行ったのですが彼女が制作してきた作品群を観ていると、作品のことはさておき、この人はどういう経緯を辿ってこんな作品を創る人になったんだろう。どんな環境でどんな生き方をしてきた人なのだろう。みたいな好奇心が沸いてきて、いろいろ調べてたら彼女自身が執筆した自伝があることを知り、美術館出たその足で本屋に行ってソレ買って、いま半分ほど読んでるところです。

おもしろいです。

大変な人生を歩んでおられます。
面倒くさいので詳細は書きませんが。。おもしろいとこだけ。。

1929生まれの今年88歳になる彼女。戦争も経験してる世代です。
長野県の種苗業を営む裕福な家庭に生まれるのですが、草間家に養子に入った父が放蕩三昧で、夫婦関係は日常的に最悪な空気の中幼少期を過ごすんですよね。幻覚や幻聴がひどくて、これは自伝に書いてあったことなのですが野に咲くスミレたちが一斉に話しかけてきたりする話とかスゴいんですよね。まじですか。。スミレの花咲く頃〜♫の話じゃないですよw

あと、
今日観た展示物の中に「男根を模した突起物」が椅子の上や家具や化粧台や、合わせ鏡に映し出されるハシゴからニョキニョキ出てきて、無限の「男根を模した突起物」な作品が展示されてたのですが、草間さんってどんだけ好きもんなんやろ、こんなたくさんのチンコつくって何を満たそうとしてるのだろう、、って思ってたのですが、自伝を読んでると、アレはそういう意味ではなく。。
私は男根が恐ろしくて恐ろしくて仕方がなくて、あんなモノが自分の中に入ってくるなんて信じられない。その恐怖から逃れるに私はたくさんのチンコをつくってその中に自分の身を投じて自己を消滅させたら恐ろしくなくなるから。。みたいなワケのわからんことを語っておられました。
チンコが怖いというのは、幼少期に目撃してしまった親族の性行為。ボクが思うに放蕩な父と妾のセックスを目撃したのでしょうか。。恐怖の源泉はそこにあるそうです。

スゴいですよね、イってしまってます。。草間さん突き抜けてます。

チンコだけではなくて、まんこもたくさん描かれていました。展示室に入ってすぐの写真載せてますが、無数に並べられた正方形のキャンバスに描かれる抽象画のような絵の中には一見、「目」のようにも見える物体が無数に、ホントに無数に描かれてるのですが、ぼくにはまんこにしか見えませんでしたw
自伝はまだ半分しか読んでないので、まんこを描く理由についても語ってくれているのかも知れません。、

なんか。。
ちんことか、まんことか連発してすみませんね。。男性器、女性器っていう表現の方がなんかこっ恥ずかしい天邪鬼なボクなのです。。

草間さんは、常に何かに恐怖を感じていて、その恐怖が彼女の旺盛すぎる創作意欲に向かわせている印象がありました。
60年代にアメリカに渡る理由も険悪で恐怖でしかない家庭から逃れるためだと自身が語っています。ニューヨークに渡ったのち、日本から持って行ったお金も使い果たし、高価な着物も売り払ってほぼホームレスのような生活をしているときも幻聴や幻覚に悩まされ、それを振り切るように作品を生み続けるんですよね。普通じゃないです。ちょっとというか、かなり病んだと言ってしまっていいのかわからないけど。

そういう人なのだと思いました。自伝の一文に、
「私は自分の周囲と自分のすべてに、母親の子宮の中にいたときからすでに絶望していたのだろう」ということが書いてあって、そういうの読むとなんというかね、、自分とは想像もつかないような世界、精神状態のなかで苦しみながら、命を削りながら作品に向かっているという姿にね。。。
いろいろ感じるんですよね。。

だから、若いねーちゃんが草間さんの作品をみて「カワイイ〜!」とか言うの聞いてるといたたまれなくなるとともに、そのアホの後頭部をスリッパで叩きたくなるんですよね。

本当はそういう、安い、軽々しい評価をされるような芸術家ではないから。

 

 

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