ごぶごぶごぶの日記

お金をかけない東京散歩ほか、走ること食べること思うことを書いてます

草間彌生さんが出てきた夢にでてきた

久しぶりに定時で帰れたのは良かったのだが、この時間の山手線は激混みで疲れますね。
帰宅ラッシュでおしくらまんじゅう過ぎて、後ろに立つ太ったおっさんの脂肪のヌメヌメした弾力と、目の前にいるアジア系の黒いシャツの男が知らない言語で話している声を聞いていた。梅雨の終わりなのか、夏の始まりなのか、一年で一番嫌いな時期に一番イヤな満員電車に仕事が終わった疲れた体とこころで乗って帰るなんて、やっぱり暗い気分になる。なんだかいたたまれない気持ち。電車が停止するたびに発車するたびにおっさんの太った脂肪に自分の背中がギュウ〜って密着するのよね。
車両の中はクーラーが効いていても、密着した背中の部分だけはイヤな温度を保ったままで、それでもぼくは表情を崩すことなく、ただ電車に揺られていた。

背中に感じるなまぬるい温度とだらしないおっさんの脂肪の弾力を感じていたら、ふと忘れてしまっていたはずの昨日見た夢の記憶を思い出していた。

ヨーロッパ。なぜかフランスだということは覚えている。
ある深い深い森の中に建つ、白い壁に赤い屋根の、背が高く、細くて華奢なお城の中にぼくはいた。
お城の中の廊下はどこまでもつづき、天井が高くて広々としたロビーには誰もが一度は美術の教科書や画集などで見たことがあるような沢山の世界の名画たちがあちこちに飾られていた。ぼくはそれを観ながら、これもアレも全部本物なのかなあ。すごいなぁなんて思いながらそのひとつひとつを興奮しながらもゆっくりと時間をかけて鑑賞しているのでした。
でもね、
静かでゆったりとしたそれまでの時間をいきなり突き破るように、後ろの方からドーンって音がすると、それは大勢の人間が荒っぽく扉を突き破る音で、その向こうからは沢山の黒いヘルメットに黒い全身タイツを着た背の高い男たちが現れ、手に持った明るい鮮やかな空色のペンキで、その名画たちを次々と塗りつぶしていくのでした。
ぼくはとても怖くなって、このままでは自分も空色に塗りつぶされると恐怖を感じたので、一刻も早くこのお城から出ようと、出口を探すのだが、どこへ行っても白い壁に行き当たるばかりでうまく見つからず迷っていた。すると暗い影の向こうから赤い髪をした小さな老婆が現れボクの目の前まで近づいてきた。
赤い髪に黄色地に黒の水玉の布を被った老女。
「出口はこっちよ。」老婆は冷たくなった手でぼくの手を引くと、その出口まで案内してくれました。
そしてこう言うのでした。
「早くここから出て、今この城で行われている事を世界中の人たちに伝えてちょうだい。そうしないと大切な絵たちは、黒いやつらの空色のペンキで全部塗りつぶされてしまいます。だから早く、ここを出てこの事を誰かに伝えて下さい。。」
その赤い髪の老婆はぼくの手を震える手で強く握りしめそう言った。その手はやっぱり冷たいままで、伸びきった爪は真っ黒に塗りつぶされていた。
それで、顔を上げたその老女は草間彌生。だった。

ぼくはびっくりして「草間さん、ぼくファンなんです。サインください!」っておもわず言ってしまったのだけれど、彼女はいいから早く行きなさい、そして誰かに伝えるのよ。一人でも二人でもいい。なるべく多くの人に伝えて。これは約束だからね。。って震える声で言うので、ぼくは「わかりました」と言い、お城の外に出て、そして森の中を当てどもなくトボトボと歩くのでした。

森の中は雨が降っていました。ものすごく強い雨。そしてとても蒸し暑い。
しばらく歩くと目の前には大きな沼が現れ、そこを越えないと前には進めないことがわかりました。
でも、沼に足を取られて歩けなくなったら困るので来た道を戻った方がいいのかどうしようかと考えていました。でもその沼は強くなっていく雨水を取り込み、さらにどんどん大きくなって、最後にはぼくのことを丸ごと飲み込んでしまうのでした。沼の柔らかく温かい弾力を体に感じながら、
この感触。。近い過去に感じたことがあるな。
なんて思いながら
電車に揺られながらおっさんの脂肪の沼に身を委ねていた今日の帰宅ラッシュの満員電車の中にいる自分に引き戻されていくわけです。

そんな話。

今日のはなんか不思議な話でもっとウマく書けそうな感じもあったのだけれど。、こんな終わり方で終わります。

ちょっと前から草間彌生さんにファンレターを出したいなって思ってて、その思いつきは良いんだけどなに書いて出したらいいのかわからなくて出せずにいたのですが、昨日の変な夢のことを混ぜた感じで書いてみよう。返事来たらうれしいね。郵便ではなくて彼女のアトリエまで走って届けてみよう。場所はわかってるから。

ファンレターは昔からたまに書いてました。
瀬古選手、イチロー、松井、曙、東尾理子、富川晴美、他にもいろいろ。

現役時代の東尾理子と富川晴美(元おニャン子クラブ)に返事をもらったことがあります。もうどこかなくしてしまったけどね。

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