ごぶごぶごぶの日記

お金をかけない東京散歩ほか、走ること食べること思うことを書いてます

耳鼻科にて。今日の出来事。

ティッシュをネジネジしてこよりを作って、それを鼻の奥の方にずっとずっと入れていくと、鋭い痛みを感じる直前に柔らかい、性的なものにも似た親密な快感を感じることがあります。。(*_*)

5年前に副鼻腔炎という病気にかかり、左の鼻の奥にできたポリープを除去する手術で、一週間ほど入院したことがありました。

それからなんとなくですが、今年の春先あたりから鼻水と鼻づまりが気になって、花粉症でもないのにもしやと思い当たり、以前入院した病院に行ってみることにしました。

当時の担当医の女医さんがその病院にはまだいて、彼女とは5年ぶりの再会だったんですよね。

ショートカットで小柄の少女っぽい雰囲気はそのままで、銀縁のメガネの奥の小さな目からはそれとは違うアンバランスな知的さを感じさせる、一見冷たい印象に受け入れられがちにも見えるのですが、ボクはその感じがキライじゃなかったんですよね。

入院中もそうだったのだけど、白衣の胸には花のブローチをつけていて、入院してた時は赤いチューリップのブローチでした。この時は少し時期外れでしたがサクラのブローチをつけていました。それともう一つ、あのときと違っていたのは、彼女の左の薬指に細い銀色の指輪が輝いていたことでした。

しばらく会わない女性の指に結婚指輪がきらめく時の気持ち。それがキライではない放っておくことのできない女の人だった場合の気持ち。前触れのないその時の気持ち。

自分の名前を呼ばれ、診察室に入って目を合わせた瞬間に彼女はボクのことに直ぐに気づいてくれたと思いました。

ハラグチさん。あ、前にこちらにかかっておられたんですね。の言葉にはよそよそしさを演じる気配を感じとったからです。

診察台に促され、自分から鼻の症状を伝える間、目が合うのだけれどその視線はうやむやに、二人の間でもつれるように、やがては不器用に消えていくのでした。

彼女からそれでは診てみましょうかと告げられ、長細い綿棒を鼻の奥に入れられライトで中を照らされます。

ゴミがあるので掃除しますね。。ハナクソです。キライではない女性にそんなものを見られて軽い羞恥心とそれを許してしまう諦観めいた心地よさがありました。

気持ち悪いですか?

鼻の掃除を終え、内視鏡で奥の方を診ることになりました。

カーテンで仕切られた別の診察室に移動をし、ベッドに寝かされます。部屋の中はボクと彼女の二人きり。

ヌルっとした麻酔のようなゼリー状の薬品を鼻腔に塗られたあと、しばらくすると鼻だけが自分の顔面から浮いていくような奇妙な感覚になりました。

少しの間我慢して下さいね。

さっきより低く湿った声色で彼女がそう言うと、左の鼻の穴に細い内視鏡がゆっくりと挿入されていきました。挿入。されました。

麻酔が効いてるので痛みはないのですが、それが奥に入っていく程に鼻腔が圧迫され、鼻や口や目からダラダラと透明な液体が出てきました。目の前のモニターに自分の鼻の奥の映像が映し出されています。

その映像を見ようとモニター側に視線を移す途中に彼女と至近距離でしっかりと目が合いました。ボクは鼻の奥を刺激される快感と彼女のメガネの奥からの硬質な冷たい視線を受け止めながら、挿入される側と挿入するめくるめく関係性の倒錯した快感に鼻を、いや全身をゆだねるしか為す術がなかったようです。

挿入する側と挿入される側の、雄と雌の逆転。倒錯。

「もうすぐで終わりますからね。。」

「いや先生、抜かないでください。お願いですからもうしばらく。」

 気持ち悪いですか?

あれでしたら、、 読まなくていいですよ。ただのおっさんの戯言なので。

プレイ、いや処置を終え渡されたティッシュで鼻を拭いたらうっすらと赤い血がついていました。診察室にもどり鼻腔をカメラでみたところ異常は無くなにも問題はないということを説明されました。薬の説明を受け、彼女から最後に

「異常は無いのですが来週も来てくださいと言われました。」

異常無しなのになぜ来週も行く必要があるのだろう?もしかしたら、、。

なんて変な期待をしつつ病院を後にしました。

 

 

家に帰り、ヨメさんに

「鼻の先生はオレのこと好きなんかなあ、異常ないのに来週も来るようにって言われたわ」って言ったら、

「おまえスゲーな、幸せなやつやな。ただの点数稼ぎやろ」って夢も希望もないセリフを吐かれて、そのときの甘い思いを無残にぶち壊されたという話でした。

 

 

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