ごぶごぶごぶの日記

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【茜色に焼かれて】映画レビュー

茜色に焼かれました。
尾野真千子さんの試写会挨拶を見て、この映画は必ず劇場で観てくれと泣いてたので行きました。
良かったですよ。尾野さんはうますぎる女優さんなので古いものから大体観てます。観る人に何かを伝えるという意味では日本人女優のなかでトップにいると思てるからです。渋谷の円山町の映画館です。
緊急事態宣言中ですが営業してます。
夫を事故で失ったシングルマザーとその息子の物語。
設定がコロナ禍の日常を描くので劇中マスクつけたシーンに始めは違和感があるが、徐々にそれが現実世界と繋がっていく。演出上のマスク着用の効果について発見がありました。
タバコが嫌われる世の中になり、映画でもタバコを吸うシーンが消え、それに代わる小道具としてマスクの登場が映画に感情表現の効果を出している。と気づくところがありました。監督ええの見つけたな。さすがぼくの大学の後輩石井裕也監督です。やりますね。
コロナ禍の日常で、閉まった飲食店が街のあちこちに見られます。劇中そんな店先に佇むシーンがあり、それが現実のぼくが住む街ともかぶる。
空っぽになったお店の向こう側には人間の営みがあり、見知らぬ人々の血の通った表情や言葉がある。電車で乗り合わせる人や、街ですれ違う人々の表情はただの風景の一部に過ぎないが、その背景には小さな罪悪感や後悔をやり過ごしながら前に進む人の姿がある。そんな事を気づかされます。それを確かめる場が映画であり、芸術なのですけれども。
でもその映画がですね、大まかな根拠の乏しい理由で社会から締め出されている状況を顧みるとマスクをつけながらも、ぼくはいたたまれない気分になります。
人が決めたルールによって追いやられる人たちがいる。
このところ世界的にケンローチ監督作品みたいな格差貧困を描く映画がハリウッドは別だが増えた気がする。
実際そうなのだろう。映画は世を映す鏡だから。

映画代1200円
ペットボトルの水96円
昼飯代800円

 

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