ごぶごぶごぶの日記

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人新生の資本論

【人新生の資本論
なんかずっと本屋で売れてるので読みました。
マルクス資本主義は知っててもマルクスその晩年の思想については知らなかった。
冷戦以降の超資本主義(新自由主義)によってあぶり出された経済格差や貧困問題はコロナ禍によってさらに浮き彫りにされ、そこに気候変動による地球環境危機が追い打ちをかけようとしている。
筆者は持続可能な社会を標榜するグリーンニューディールやアグリカルチャー、SDGsさへもまやかしだと鼻で笑っているようだ。そんな小手先の政策ではこの地球規模の危機に立ち向かうことはできないただの自己満足に過ぎないと。
自然エネルギー転換をしたところで、資本家や株主が成長を前提とする企業活動をする限りはなにも解決できない。資本主義の全否定を唱え脱成長を主張する。電気自動車や太陽光パネルの普及で利益を得ても資本家はさらなる成長を求めてグローバルサウスや貧困層に搾取を迫り、環境は破壊され、そのループは永久に繰り返されるに過ぎず、地球は破壊し尽くされるだろう。
その解決策は脱成長との主張。コロナ前からオーバーツーリズムによって経済的労働環境的に疲弊したスペインバルセロナを例に挙げる。現在実践している成長を目的としないコモンズと呼ばれる経済モデルの実現や食糧主権、気候正義という聞きなれない言葉が環境意識の低い日本人の自分には真新しくその意味も興味深かった。
その他労働問題の是正、コモンズ、デカップリングなどの持続可能な人新生への提言がこの本には詰め込まれていた。ここで全部は書けないので興味ある人は読んでね。でも40年くらい前まではこんな本読んでるとかって危ない奴みたいに思われるんやろねw
全てが実現可能なのかは疑問が残るが、貧困国や次世代の人々に自分さへよければ的な押し付けはもうだめで、改めなければならないですよね。

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