ごぶごぶごぶの日記

お金をかけない東京散歩ほか、走ること食べること思うことを書いてます

映画「淀川アジール」レビュー

監督に挨拶できてよかった!
ボク:監督!ご無沙汰してます。原口デス!
監督:あ、原口くんしばらく見ないうちにアレやね。(年いったね、。)
大阪で最後に会ったのはボクが20代の頃なので、あの頃のボクは髪も黒くサラサラで肌もつるつるで常にビンビンのもっこりさんやったからね。
時の流れを感じずにはいられません。

さて「淀川アジール
先日告知した監督の作品を鑑賞してきました。
大阪淀川の河川敷に暮らすさどヤンの生活と彼が書き留める日記にあったエピソードを監督の「立ち入らない」カメラを通して描かれていました。
ガチガチの報道番組的な社会性を帯びた悲壮感たっぷりのドキュメンタリー映像ではなく、映画作品なのでそこには恣意的な意図はなく、監督の暖かい視線で見たままのさどヤンの様子が描かれていました。20年前から河川敷で暮らしてるということは、ボクが大阪にいた頃もそこにいたんだ、。という親近感も感じたりして。
収入は週一回の清掃業で得られるお金だけで、好きなタバコとお酒を飲んで自由気ままに過ごすさどヤン。河川敷に建てた停留所と呼ばれる彼の「城」は自分の手で建てたもので、屋根に設置した太陽光パネルで電気も使えるから冷たいビールも飲める。さぶヤンの周りには常に多くの人が集まり車座の中心で語る彼の言葉をその場で聞いてるようにボクもうっとり聞き入っていました。
「生きるために生きるんや」
そうなんですよ、ただ生きていれば良いだけなのにそれに付随する煩わしい事によって生きづらく窮屈になってしまう今の世のあり方に気付かされます。もっと楽に生きれないものなのか。シンプルで気楽に人生を楽しむ事はできないものか。
そこにさどヤンの周りに集まる人たちも惹かれているようでした。
そんなさどヤン、逞しさもありながら優しく繊細なところがあり、日記に書いた字が驚くほどに達筆で、好きな本を沢山読んで時間をゆっくり過ごす。
ボクの実家が板金屋さんで、子供の頃にウチで働いていた職人さんたちに思い当たりました。力持ちで逞ましく、一方で手先がものすごく器用で繊細な面を併せ持つその人たちの影。ボクが子供の頃はさどヤンみたいな気質の人は珍しくなかった。家の壁や屋根の修理、石垣を組んだり車の修理だってなんでもできるんだ。
それに立ち返って今のボクの生き方。逞しさも物理的な意味での生命力も乏しく、青白い顔をしてクーラーの効いた快適な部屋でpcに向き合い1日を過ごす時間に危うさが潜んでるようにも感じてしまう。
あまり深くは考えてはないですが、今の暮らしを見直すきっかけにも⁈なんて考え込んでしまいそうでした。
何かあってもホントに何もできないんだろうな〜。
台風の豪雨と高潮に襲われた大阪でさどヤンの城も流されてしまったあと、
「なんも無くなった、逆に気持ちええわ!」って言い切る逞しさ。
さどヤンみたいには生きることはできないが今のままの生き方を続けることへの疑問も正直感じてしまう。そんな感想です。

監督ありがとうございました。
元木さんこんな感じです。
大阪行った時はお酒飲ませてくださいね〜^_^

#淀川アジール
#田中幸夫

 

f:id:maboo828jp:20210627002149j:image