いろんなこと言う人がおります。
他の人が書いたこの映画のレビューやツイッターのつぶやき見てると、映画観てない人までが揚げ足取りのカスみたいな批判ばかりしていてうんざりです。
ほんまカスやわ。
カスみたいな事ばかり考えて時間を過ごし、カスみたいなメシ食って、カスみたいな人生を送ってるんやろな。。そんなカスみたいなセンスしか持たない人に、この映画を語ってほしくないわ。気分が悪い。
もう一度生まれ変わってこい。
死ねとは言わないから、まともなアタマで生まれ変わってきてほしいものです。
で、
いい映画でした。僕は素晴らしいと思いました。
是枝さんの作品は大体観てる方です。この人の映画はストレートに生々しすぎて、それが監督独特の持ち味の一つなのですが、スクリーンからその空気感や温度がムンって匂ってくるような、例えば人物がいつもベタベタ汗かいていたり、セリフも音もないシーンでは息遣いだけが聞こえていたり、やたらとものを食べてるシーンが多かったり、風呂入ってたり、セックスしてたり、くたびれた洗濯物とか、部屋がモノにあふれて汚かったりとか、生活感も何もかも、思いっきり人間臭いというか、もっというと動物的にむき出しなんですよね。
人間の野生感に気づかされてくれます。人間って動物なんだよな、、的な。
そういうのが嫌いな人もいるのかな、。映画はエンターテイメントだからきちんと整理整頓されて洗練されたキレイなものであってほしいとか、、。それも一つなのですが、僕は嘘っぽくてそんなものには関心が向かない。そこを目隠しするのが現代の風潮としてあるから、他の作家はそこの表現を避けている気がする。そうすると温度が伝わってこない。薄っぺらでリアルではなくなる。リアルを突き詰めていくととても美しいものが見えて来ることを信じたいのですが。
どんな映画でも、映画を見るとき大体僕は飽き性なので時計を見てしまうのですが、この作品では久々に見なかった。それは物語の中に自分の居心地のいい日常を見つけていたのかもしれないからだと気づかされたりもする。いや、万引きは高校生のとき以来やってないですけど。。。
スクリーンの中の日常が地続きで自分が暮らす日常につながってくるような錯覚さえしてしまう。そこに引き込まれます。
キャスト陣もやっぱりすごくて、。
樹木希林さんの「それでいくらもらえんの?」って言った後にみかんをかぶりつくシーンが圧巻で、その表情に深い闇を感じてしまいました。あのシーンではあの表情以外に考えられない。この人以外にこの役をやれる人っていないよな。。
安藤サクラの泣きのシーンはやっぱり良くて、全く関係ないけどさすが曽祖父は犬養毅です。あの表現力はなんやろね、奥田瑛二もびっくりやね。。
そういったあれこれ全てを昇華して、一つの作品に結実させる監督の手腕がビカビカに光っています。ピカピカでなくビカビカに黒光りしてます。
血の通った親密で切実な物語が、ジャーナリスティックな社会性をもち、世の中に向かってそれを強く訴える大きな力を放つ。芸術の存在意義、映画のその重要な社会的役割をしっかりと機能させている。その意義をはっきりと示してくれた。
すごいよな。
日本にこの監督がいることを誇りに思います。
同じようなテーマで去年カンヌで受賞した、イギリス製作の「私はダニエブレイク」も観ていて、その作品もかなりよかったのですが、
正直「万引き家族」はそれを余裕で超えてるとおもいました。
関係ないのですが、安藤サクラ「百円の恋」のシャドウボクシングのシーンがカッコいいのでリンク貼ってしまいました。