ごぶごぶごぶの日記

お金をかけない東京散歩ほか、走ること食べること思うことを書いてます

喜怒哀楽の「怒」

「喜怒哀楽」っていう人間の感情を示す言葉があるのですが、 喜、哀、楽はおそらく人並みに理解とその表現ができるとは思ってるんですけど、 「怒」はあまりボクには縁がないようにおもえます。

たぶんボクを知ってる人はボクが怒ってるところを見たことないとおもうのですが、 実際にほとんど、というか、ボクはまったく怒らないんですよね。。。

例えば何かにムカついて怒りそうになる感じ。はときどきあるのですが、 どんな感じで怒って、怒ったあとの空気のことを考えると、 めんどくさくなって、そんなテンションをどう続けて、どう終わらせるのか。。

よくわからないし、そんなことが頭をよぎるとめんどくさくなって 怒る気持ちがおさまっていくわけですねん。。

でも、 そんなぼくでも、ホントにあれは怒ったな〜っていうことが一度だけあって、ですね。 20代の頃。大阪にいたときの話なのですがね。。 そのころ家から会社まで原チャリで通勤していました。。

たぶん今ぐらいの季節のとても天気がいい日で、 淀川にかかる幹線道路を走っていたとき。 “お〜、春やで、春がきたで。きょうはごっつ気持ちがええなあ。

だいぶあったかくなってきよるし、川べりの桜たちも満開に咲き誇っとるがな、ええのお〜w” な〜んてヘルメットの中でひとりごちながらのんびり走っていました。

幹線道路なので結構とばしてくる車も多く、こっちは原チャリだからほかの車たちに ビュンビュン追い越されていきます。 一台のトラックがうしろからやってきました。 そのトラックもほかの車同様追い越していくんやろな、と思いつつ。 走ってたら。 えらいボクの側に寄せてくるんですよね。 “こいつ。気づいてないんかな。。あぶないなあ。” って、スピードを少し落とした瞬間に、首元がなんか引っ張られる感じがあって。。

??? って思ったら、

ボクはその日フード付きのパーカーを着てて。。 で、そこから伸びたヒモがですね。

なんと、 どういうわけだか、 そのトラックの荷台のフックに引っかかってるんですよね。。 それ見た瞬間。血の気がひきましたよ。 ビビりました。

少量ですが、おしっこも出てたとおもいますねんよ。 ピュ〜ってw トラックは少しづつスピードを上げていきます。 原チャリのぼくはそれに着いていくようにアクセルをフルスロットルにするのだけど そんなの着いていけるはずがないんですよね。。 すごい力でぐいぐい引っ張られていきます。 死ぬな。 おれはここで死ぬのかな、、

原口誠 享年23才。

おかあさん。ごめんなさい。 おかあさんより早く死んでしまうぼくをおゆるしください。。 泣きそうになりました。いや、涙を流して泣いてましたよ。 なんででしょうね。。

その瞬間は、そのときにつき合ってる女の子のこととかではなく、 育ててくれたおかあさんのことを思っていました。

それで、、首元をぐいぐい引っ張られながら なんと運が良いことに、その先の信号が「赤」になったことで トラックはスピードを落とし、停止しました。

死ななかったです。

よかったです。 死んでたらこんなこと書いてませんけどねw おかあさんありがとう。 まだ生きることができそうです。 ほんとうによかったです。あははは〜w のあとに、

猛烈な「怒り」がこみ上げてきたんですよね。燃えるように。です。

原チャリをとめて、走ってトラックの運転席に近づき、 ヘルメットをしたアタマで ドアをガンガンと頭突きしました。ドアがへこむくらいに何度も何度もです。

ガンガンガン!! 渾身のパッチギ!ですよ。 そしたら、トラックからおっさんがおりてきました。 おっさんも怒っているようです。 スキンヘッドの眉毛が細くてかなりガタイのいいおっさんでした。

普段のボクだったらビビって何も言えないんでしょうが、 でも、そんなの知らんし、こっちはもう少しでホントに死にそうになってたし、 そんなハゲタおっさんより何倍も怒り心頭だったので、

「おんどりゃ〜!お前、オレを殺す気か!?アホ!お前死ね!!★※$&%#☆!※!?>(’<!」 何言ったか、わからんのですけど、文法的にも無茶苦茶なことをわめき散らしていたと思います。

あほ。バカ。死ね。殺す気か。お前。地獄に堕ちろ。二回死ね。

っていう普段は使わない言葉をふんだんに使いながら、 そのおっさんを道路の真ん中でつばを飛ばし大声で罵りまくりました。

そしたら、おっさんがですね。 財布から千円とり出して、ボクに渡すんです。

かなりの怒りっぷりだったので、気圧されたんでしょうかね。。

「ニイちゃん、ごめんな。。。」って言いながら、千円わたすんです。

それがなんかマヌケで、風にそよぐ千円札の感じが 急におもしろく思えてきて。その額も、なんで千円やねん。。 怒りはあっという間におさまってしまい。 なんか、笑えてきたんですよね。。

それで、その笑いをこらえながら 千円をおっさんの手からもぎ取って、 再び走り出すと、 また風にそよぐ千円札と、おっさんの申し訳なさそうな表情がよぎってきて、 それが異様にオモシロくてオモシロくて、ヘルメットの中で爆発的に大声で、

がはははは!って笑ってしまいました。

短い時間の間に、恐怖→怒→笑っていう感情に踊らされた自分が なんかアホみたいで、またそれもオモシロくてしばらくずっと笑ってましたねw

な〜んっていう20年前くらいの出来事以来、たぶんボクは怒ってないんですよね。 いまのこの平和な世の中に生きてて、そんなに怒ることってないと思うんですが。。。

だから、すぐに怒る人をみると、しんどそうやな。。おれもしんどいわ。って思います。

笑っとけ〜、その方が楽やろ。。ってw おもうんですけどね〜

 

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