「妻への家路」 かなりよかったです。期待以上でした。
文化大革命の時代の中国社会がこの作品の背景にあるのですが、 すこしでも作中に当時の政情に批判的な意図が含まれていると見なされると 即座に中共はそれを徹底的に排除し、すぐに上映禁止になるので、 そんなイメージは不自然なほどにぬぐい去られてる感があった。
ように見受けられました。
でも、、それが逆説的に、文革が当時の中国の人々の人生に暗い影を落としてことをより際立たせているような仕掛けになっている。というのが監督の意図するところだとすると、さすがやね、、。天晴れです、なんて思います。
他人や家族にも心情を打ち明けられないような、家族関係や個人の思想のすみずみまでに政治的な抑圧があるって、、想像することしかできないけど。。
どんな状況なんだろう。相当つらいやろうね。
今の北朝鮮と同じような世界がそこにはあったのでしょうか。。
でもそういう世界だからこそ、こんなに美しい物語が成立するのかもしれんです。
あと、映像がとてもキレイでした。
CGにはたよらない、影の使い方、光のとり入れ方がホントによくて ワンカットワンカットはただの素朴な画なんだけど、積み重ねていくと情感に訴えてくる映像の強さがあります。 そんな 中国映画のいいところが随所に見られるとてもイイ作品でしたよ。
泣けるシーンが2度ほどあるのですが、 1度目の前後で後ろに座ってるおっさんが声をしゃくり上げて号泣してました。
でも 2度目の泣きの場面の時は全く反応してなかったのはなんでやろうかね。。
泣き疲れて寝ちまったのかね。。
オレもぐっすり眠りたいわ。。 そんな まったく眠れない勢いをかりて、平日夜更けの映画感想文でした。。