今日のはなんかキレイな話だったんですよね。
松本清張原作「砂の器」のリメイク版ドラマを観ていた。この作品は映画やドラマでも何度となくリメイクされるいわゆる名作と位置付けられる作品。その始まりは山田洋次脚本、丹波哲郎と森田健作そして加藤剛の主演で、初の劇場公開されたのは1974年。もちろんリアルタイムでは観てはいない。だけど学生の頃に観てひどく心に響いた邦画のひとつになった。
原作は今でいうミステリー小説のスタイルをとった作品なのだが、そのメインとする背景にはハンセン病患者に対する苛烈な差別を世に問うというテーマを下地に物語は描かれていた。
ハンセン病って何?
ってあると思うのですがそれは置いときます。
当時映画化される際にはその差別がこの映画によって助長されるのではないかという懸念や制作側の葛藤もあったのらしいのですが映画化に踏み切り、劇場公開後世の中に大絶賛を受ける結果を得る事になつたといいます。
松本清張とこの作品の持つ力が社会に受け入れられ、ハンセン病に対する世間の認識が変わっていくキッカケとなっていきました。
天皇皇后両陛下が91年にハンセン病患者への慰問が実現した理由にこの映画の影響により認知度が高まったこともあるのかもしれないと思ったりもする。
今回のリメイク版はハンセン病ではなく、犯罪者の家族への差別と贖罪。みたいなものにそのテーマがすり替えられてるのだが、なんか、。
浅いんですよね。軽いというか、。出演する俳優がジャニーズタレントで固められていたり。
時代とともに名作はそうやって語り継がれていくのだろうけど、そういうものなんでしようかね、。
あと今はいない松本清張や山崎豊子の社会派小説が何度もリメイクされるのも気になっていて、今の現役の作家で世の中の問題を白日の元に晒し、世間に問うような力強い筆を持つ作家が不在なのも嘆かわしかったりします。
世の中の暗部を芸術によって高い域に昇華させ、そんな作品の力によって大衆の理解と喝采を浴びるような作家がいない。
沖縄や原発や貧困、幼児虐待や、現代社会に横たわる問題は沢山あるけど思うのだけれど。
「宿命」久しぶりに聴いてみた。やっぱりいい曲だよな。