ごぶごぶごぶの日記

お金をかけない東京散歩ほか、走ること食べること思うことを書いてます

映画「沈黙-silence-」 レビュー

予告編からして見るからに重たいし、学生の頃に読んだ遠藤周作の原作も暗くて重いイメージしかなかったのですが、マーチンスコセッシだし、話題作だし、注目もしてたし、長崎出身だし、
正直こういうエグい話は避けておきたいのですが思い切って観てきました。
映画「沈黙-silence-」

いまではクリスマスの数日後にお正月が来てしまう奇妙な国、NIPPONをみて、この時代に命がけで海を渡ってやってきて、さらに命がけで布教活動を行ったキリスト教の司祭たちはビックリするんやろうね。

いろんなパターンの拷問シーンを繰り返し執拗に見せつけられるのは、監督の意図だったのでしょうか。原作にも結構そんな記述があったと記憶しているが。気分が悪くなりそうでした。
「神などこの世界に存在しない」
ということが暗示されてるような気がしました。

一つ印象に残ったのは、人物のリアルな描写。特に村人の百姓たち。
時代劇の、例えば大河ドラマなんか見てると、百姓でも見た目は汚れた服装をしてるけど、なんとなく帯もちゃんとしてるしそこまで汚れていない。でもこの映画に出てくる百姓はみんなリアルにきたなくて、窪塚洋介の汚れっぷりは、異臭がにおってきそうなほど際立っていました。髪はべとべと、みんな歯並びが悪くて虫歯だらけ、肌も荒れ放題でした。。

それに地面がぬかるんでる感じ。長崎は実際に雨が多いのであの時代は当然アスファルトで舗装なんかされてないからぐちょぐちょしてます。
実際あの時代ってそんな様子だったのでしょうね。

長崎、雲仙、五島、生月、平戸、の地名がセリフに出てくると、長崎出身のボクはその距離感がイメージできるのですが、そうではない人は結構近くにあるものと思うんだろうね。。
長崎から五島ってかなり離れてるし、平戸も結構遠いんだけどな、、。
あとぼくの出身地の佐世保はこの時代はただの小さな漁村で、全く出てこないのも印象的です。

子供の頃、平戸かどこかの教会に行ったときに、展示されていたレプリカの「踏み絵」や、キリシタン弾圧の絵を見たことがあるのですが、かなり重い気分になって、帰りの車の中で酔って吐いてしまった事があり、
そのときに感じた残酷で絶望的で、夢にうなされそうな感じがよみがえってくるようでした。

異教徒としてどんなに拷問を受けようが神は沈黙したままで、人々はもれなく救われることなどない。
宗教ってなんだろう?

例えばインドとパキスタンが核戦争始めたとしてもブッダは沈黙したままだろうし、

ISが極悪非道なテロを繰り返して世界中を恐怖に陥れてもアッラーは沈黙したままだろうし、

トランプが世界を最悪な方向に導いたとしてもイエスは沈黙したまま。なのだろう。


仏教イスラム教もキリスト教も、その他もろもろの宗教って、無力すぎてただの幻想に過ぎない。のか?
だとすると、クリスマスの後にやってくる正月な日本って、なんて正直な国なんだろう。

節操がないと言ってしまえばそれまでなのだが、、

宗教をマジメに取り込まずに、経済の名の元に利用して鼻で笑ってるようなところがあからさま過ぎて、日本人らしい。。

でもそれも日本人の良さなのだろうかね。。

かなり話が逸れてしまいましたが、、

なんて思ってしまいます。

自動代替テキストはありません。