ごぶごぶごぶの日記

お金をかけない東京散歩ほか、走ること食べること思うことを書いてます

戦争は女の顔をしていない

【今読んでる本】
ウクライナ生まれでベラルーシ育ち、そしてロシアには親戚や友人が数多くいるという作家のアレクシエーヴィチがEテレに出てたので見てました。第二次大戦中のソ連女性兵士のインタビューを収録した「戦争は女の顔をしていない」などでノーベル文学賞を受賞した彼女だが、今回のウクライナ侵攻に関してはだいぶ心を痛めているようで、高齢にもかかわらずその声を届けるために度々メディア出演している。現在は国外追放中でドイツ在住。ベラルーシでは反戦活動家としての逮捕歴もあり、国内でその著書は全て出版禁止にされる。あのルカシェンコからは名指しで売国奴との批判も受けた作家。

小難しい各国の政治的軍事的見地からの情勢分析云々とは別の視点で、戦争とそこにいる人々の生活やその記憶をインタビューを通じて切り取った独特の文体が特徴。これは文学なのか?と疑問の声が出たりもしたが「新しい境地の文学を案出した」と絶賛されたりもします。

今回の侵攻で「冷蔵庫とテレビの戦い」が再びやってくる。と彼女は語る。その意味するところはソ連崩壊時と同じように、経済が落ち込み物資が不足し冷蔵庫の中身が空になると、テレビで勇ましく伝えられるプロパガンダにロシア国民は疑問を持ち、行動に移すという意味らしい。でもそれではもう遅いのだ。ロシア人もウクライナ人も平時は政治に関心が薄く選挙投票率も低い。
政治への不信感を語る人は少数でほとんどの人は無関心なまま。政治によって作為的に仕向けられる無関心は「罪」で気づいた時にはもう遅いのよ。と彼女は語る。

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