今年のアタマ。コロナ禍のなか帰国者支援で都内のホテルに隔離される帰国者や来日者のサポートをする現場に入った時のこと。
ボクは観光関係の仕事をやっていたのですが、コロナで仕事が減り、国からの助成金を会社が受け取るその代わりにこんな仕事をやる羽目になったわけで。
第7波?だったかな。数が多くて思い出せない。空港からバスでホテルにやってくる帰国者来日者の管理と支援をやるわけですが、要するに入国してきた人たちの部屋割りや食事の配膳と国によって違う隔離期間を個別に管理し、終了したら空港行きのバスに乗せて見送る。みたいな仕事です。
そんなに大変な仕事でもないのですが、宿泊者の中には面倒で言うことを聞かない人も時々います。日本人よりも外国人にわがままな人が多かった。オレはここに入りたくない。とか、配膳される弁当は飽きたからラーメン食わせろとか。
ワガママではないのですが、妊娠中の女性から隔離期間中にお産が始まったらどうすればいいの?それに対応するドクターはいるの?と詰め寄られて、コロナで忙殺される疲れ切った看護師に繋ぐのがうまくいかずタジタジになったりもする。普段の仕事とは全く違うのでそゆの慣れない。
宿泊者には有名人の方もいたりして、食事がケータリングの弁当ばかりで、弁当となると揚げ物がどうしても多くなりがちなんですよね。それで宿泊者アンケートに「揚げ物ばかりでは私みたいな高齢者は受け付けられません。(デヴィスカルノ)ってデヴィ夫人からのメッセージがあったり、弱小プロサッカーチームの選手に酒買ってこいとか言われたり。もちろん買いに行くかボケ。ですが、そんなのもありました。
そういった連絡はボクらのチームに直接の入ることになっていて、一つ面白いのがあったんですよね。夜の8時くらいですかね。「キャベツ2個と生卵2パックを部屋に持ってきてくれ」そんなこと言う人がいました。
なんやそれ。何に使うん?部屋で調理するん?
ウーバーで注文する自由はあるので弁当が嫌な人はその許可は出てるのですが、注文の内容はこちらに知らせるルールとなっています。しかしキャベツと生卵?電話をとったメンバーは上に確認してナマモノはNGとのことを伝えたところ、「なぜダメなんだ!昨日はOKしたろ?早くキャベツと生卵を持ってこさせろ!」前日の担当は確認せずにOKしたらしいのだが、その日は確認した上で許可しないと言ったものだから容認することはできません。その後も何度か部屋から連絡があり、なかなか引き下がらない客なので、その宿泊者の名前を調べてみたら「TAJIRI」だったんですよね。知ってます?田尻義博。プロレスラーです。日本でもそこそこ有名なのですが、調べてみると海外特にアメリカでは現役当時のイチローや松井の知名度を凌ぐほどのプロレスラーなんですよね。ビビりました。そのTAJIRIと電話越しに押し問答するぼく。面白い。
繊維とタンパク質がレスラーには命なんです。しかしそれを生で食べるとは驚きです。確かにプロレスラーに崎陽軒やまい泉のトンカツ弁当では足りないですよね。結局最後は上の人たちがなんとかしてくれて諦めてくれたようですが電話の向こうにあのTAJIRIがいたとは面白い。という話です。その仕事も会社も辞めたのでこの出来事を記憶しておきたく一部の間で披露させていただきました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。